指名委員会等設置会社と監査等委員会設置会社

指名委員会等設置会社とは、指名委員会、監査委員会、報酬委員会を置く株式会社のことであり、委員会を設置するかは会社の任意となっています。
以前は、委員会設置会社は比較的大きな会社のみ認められていましたが、会社法では規模要件が廃止されたため、何れの会社においても委員会設置が可能となりました。
指名委員会等設置会社には、指名委員会、監査委員会、報酬委員会に加え、1人または数人の執行役を置かなければなりません。
また、取締役会と会計監査人を必要的機関として置かなければならず、各位委員の選定および解職、執行役の選任および解任は、取締役会の決議によります。

指名委員会等設置会社は、以下の３つの委員会を設置しなければなりません。
各委員会は委員３名以上が必要となり、取締役の中から取締役会決議により選任されます。
なお、各委員会の委員の過半数は社外取締役である必要があります。

指名委員会は、株主総会に提出する取締役および会計参与の選任と解任に関する議案内容を決定する機関です。

監査委員会は、執行役、取締役、会計参与の職務執行の監査を行い、株主総会に提出する会計監査人の選任および解任に関する議案を作成する機関です。

報酬委員会は、執行役、取締役、会計参与の報酬の内容を決定する機関です。

指名委員会等設置会社は、１名以上の執行役を置かなければなりません。
執行役は、取締役会の委任を受け実際の業務を行い、取締役会決議により選任され任期は１年となります。
取締役の兼務も認められており、複数の執行役を選任した場合は、代表執行役を選任することもできます。

指名委員会等設置会社では、取締役会は、監督機関の要素が強いため、原則として業務の執行はできず、取締役の任期は１年とされています。
取締役会も監督機能を強化するため、業務執行の大部分を委員会や執行役に譲り、基本事項の決定、委員会のメンバーの選任監督、執行役の選任監督に限り行います。

監査等委員会設置会社は、取締役会の監査のために、取締役会の一機関として監査等委員会を設置し、指名委員会や報酬委員会は設置することができません。
取締役会および会計監査人は設けられますが、監査役は設けられません。
監査等委員会の設置会社の取締役は、監査等委員である取締役と監査等委員でない取締役に分けられます。

選任・・・株主総会で選任
（監査等委員でない取締役と区別して選任）
解任・・・株主総会の特別決議
任期・・・2年

選任・・・株主総会で選任
解任・・・株主総会の普通決議
任期・・・1年

監査等委員である取締役は3人以上で、その過半数は社外取締役でなければなりません。
なお、社外取締役は、株式会社の取締役であり、当該株式会社またはその子会社の業務執行取締役若しくは執行役または支配人その他の使用人でなく、かつ、その就任前の10年間当該株式会社またはその子会社の業務執行取締役でないこと等、会社法により厳格に定められています。

監査等委員会には以下のような権限が与えられています。
・取締役および会計参与の職務執行の監査および監査報告の作成
・会計監査人の選任、解任、再任に関する議案内容の決定
・監査委員でない取締役の選任、解任、辞任および報酬等に関する意見の決定

・株式の基本

・発起設立と募集設立

・株券と株主名簿

・株式譲渡

・株主総会決議の瑕疵