第1章 総則
名称
(名称)
第○○条 この法人は、一般社団法人○○○○と称し、英文では、×××× General Incorporated Foundation と表示する。
「一般社団法人」は名称の前後どちらでもよいが、必ずつける必要があり、日本文字のほかに、ローマ字、アラビア数字、限られた符号(& ’ , - . ・)を使用することができます。
事務所
(主たる事務所)
第○○条 この法人は、主たる事務所を愛媛県松山市に置く。
主たる事務所は、日本国内であれば自由に定めることができ、定款への記載は、独立の最小行政区画までの記載(愛媛県松山市)でも、住居表示上の番地までの記載(愛媛県松山市南江戸3丁目10-15)でも、どちらでも認められています。
なお、番地まで特定して記載した場合は、設立登記申請時の添付書類の発起人による決議書は不要となります。
また、従たる事務所を定める場合には、2項に記載し、主たる事務所登記後に、登記する必要があります。
第2章 目的及び事業
目的
(目的)
第○○条 この法人は、○○を通じて、○○を提供し、○○事業を行うことにより、○○の向上及び社会の健全な発展に寄与することを目的とし、その目的に資するため、次の事業を行う。
目的は、「~に対して、~を行い、~に寄与する」のような記載をします。
事業
(事業)
第○○条 この法人は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。
(1)○○に対する施設や運営に関する調査研究事業
(2)○○支援施設を提供する事業
(3)○○支援事業の運営を支援する事業
(4)○○支援事業と地域との交流を促進する事業
(5)○○支援事業に資する物販及び物品を提供する事業
(6)前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業
事業名は具体的に記載しないと、公証役場で認められないこともあります。
事業名の数に制限はありませんが、経理区分での苦労を考慮すると、あまり多いのはおすすめできません。
また、許認可の必要な事業も業務に含めることができますが、法文のとおりに事業名を記載する必要があり、許認可の不受理要因にもなりかねますので、十分に注意が必要です。
第3章 社員及び会員
法人の構成員
(法人の構成員)
第○○条 この法人の会員は、次の会員を置き、正会員をもって、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般法人法」という。)上の社員とする。
(1)正会員 この法人の目的に賛同して入会した個人又は団体
(2)賛助会員 この法人の事業を賛助するために入会した個人又は団体
(3)名誉会員 この法人に功労のあった者又は学識経験者で社員総会において推薦された者
一部の会員のみ社員とし、全員を社員としないためには、上記のような記載が良いですが、同じ会員種別でも、一部の者のみを社員とする方法もあります。なお、社員の資格の得喪に関する規定は、定款の絶対的記載事項とされています。
入会
(入会)
第○○条 会員として入会しようとする者は、理事会が別に定める入会申込書により申し込み、理事会においてその可否を決定し、これをその者に通知したときに会員となる。
会員の資格制限をする場合には、ここで詳しく記載しなければなりません。
入会金及び会費
(入会金及び会費)
第○○条 正会員は、社員総会において別に定める入会金及び会費を納入しなければならない。
2 賛助会員は、社員総会において別に定める賛助会費を納入しなければならない。
入会金や会費の額を定める場合は、ここで記載するのではなく、最後の附則に記載することになります。
任意退会
(任意退会)
第○○条 会員は、理事会において別に定める退会届を提出することにより、任意にいつでも退会することができる。
入会を制限することはできますが、自由に退会をできないような定款は認められません。
除名
(除名)
第○○条 会員が次のいずれかに該当するに至ったときは、社員総会により、総正会員の半数以上であって、総正会員の議決権の3分の2以上に当たる多数の決議をもって、当該会員を除名することができる。
(1)この定款その他の規則に違反したとき。
(2)法人の名誉を傷つけ、又は目的に反する行為をしたとき。
(3)その他除名すべき正当な事由があるとき。
妥当な理由以外での除名は認められず、除名を決議するのは社員総会でなければなりません。また、法人は、除名する社員に対して、社員総会の日から1週間前までに除名する旨を通知し、社員総会において弁明する機会を与えなければなりません。
会員資格の喪失
(会員資格の喪失)
第○○条 前2条の場合のほか、会員は、次のいずれかに該当するに至ったときは、その資格を喪失する。
(1)第○○条の義務を1年以上履行しなかったとき。
(2)総正会員が同意したとき。
(3)死亡又は解散若しくは破産したとき。
入会金及び会費で定めた義務を履行しない場合の資格喪失を定めることができます。なお、不履行の期間は1年に限らず、特段の制限はありません。
第4章 社員総会
構成
(構成)
第○○条 社員総会は、全ての正会員をもって構成する。
社員総会については、法人の構成員で定めた者のみが対象となります。
権限
(権限)
第○○条 社員総会は、次の事項について決議する。
(1)会員の除名
(2)理事、監事及び会計監査人の選任又は解任
(3)理事及び監事の報酬等の額
(4)貸借対照表及び損益計算書並びにこれらの附属明細書の承認
(5)定款の変更
(6)その他社員総会で決議するものとして法令又はこの定款で定める事項
社員総会は、一般社団法人の組織、運営、管理、その他一般社団法人に関する一切の事項について決議することができます。
なお、理事会等の社員総会以外の機関が意思決定できるといった内容や、社員総会において決議する事項の全部につき社員が議決権を行使できない旨の内容などの定款は効力を持ちません。
また、社員総会で社員に剰余金を分配するような決議も無効となります。
開催
(開催)
第○○条 社員総会は、定時社員総会及び臨時社員総会とし、定時社員総会は、毎事業年度の終了後3か月以内に開催し、臨時社員総会は、必要に応じて開催する。なお、社員総会は、社員総数の過半数の出席がなければ開催することはできない。
社員総会は、事業年度終了後3カ月以内に開催すれば良いのに対し、税務申告の期限は、事業年度終了後2カ月以内となっているため、できれば社員総会も2カ月以内に開催することが望ましいといえます。
ただし、税務申告は、申告期限の延長の特例を利用することで、申告期限を1ヵ月延長することは可能です。
招集
(招集)
第○○条 社員総会は、法令に別段の定めがある場合を除き、理事会の決議に基づき、代表理事が招集する。
2 総正会員の議決権の10分の1以上の議決権を有する正会員は、代表理事に対し、社員総会の目的である事項及び招集の理由を示して、社員総会の招集を請求することができる。
3 代表理事は、前項の規定による請求があったときは、4週間以内に社員総会を招集しなければならない。
4 社員総会を招集するときは、会議の日時、場所、目的及び審議事項を記載した書面をもって開会日の2週間前までに通知しなければならない。
社員総会は、毎事業年度の終了後必ず開催しなければならず、通常は、理事が招集することになります。
議長
(議長)
第○○条 社員総会の議長は、代表理事がこれに当たる。
理事長以外から議長を選出することも可能です。例えば、「社員総会の議長は、当該社員総会において正会員の中から選出する」などとします。
議決権
(議決権)
第○○条 社員総会における議決権は、正会員1名につき1個とする。
社員総会において決議をする全ての事項に対して議決権を行使することができます。
議決権は、基本的に1人1票とすることが望ましいですが、会費等に応じて票数を変動することもできます。
なお、議決は書面による方法に限られず、電子メール等の電子投票やFAXによ方法も認められています。
決議
(決議)
第○○条 社員総会の決議は、法令又はこの定款に別段の定めがある場合を除き、総正会員の議決権の過半数を有する正会員が出席し、出席した当該正会員の議決権の過半数をもって行う。
2 前項の規定にかかわらず、次の決議は、総正会員の半数以上であって、総正会員の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行わなければならない。
(1)会員の除名
(2)監事の解任
(3)定款の変更
(4)解散
(5)その他法令又はこの定款で定める事項
3 社員総会に出席することができない社員は、あらかじめ通知された事項について、書面又は電磁的方法により決議し、又は他の社員代理人として議決権の行使を委任することができる。
社員総会の定足数は過半数であり、定款に記載すれば、委任状および書面表決も認められています。
事前に半数程度の委任状を集めておくことで、社員総会を円滑に開催することができます。
なお、特別決議については、社員総会の2/3以上の議決権が必要となります。
議事録
(議事録)
第○○条 社員総会の議事については、法令で定めるところにより、議事録を作成し、議長及び出席した理事がこれに署名若しくは記名押印又は電子署名をし、社員総会の日から10年 間主たる事務所に備え置く。
議事録署名人については、特段の定めはないが、一般的には社員総会の冒頭に2人選定し、議長一緒に署名をすることになります。
なお、議事録は社員総会終了後10年間、主たる事務所での保管が義務付けられています。
第5章 役員
役員の設置
(役員の設置)
第○○条 この法人に、次の役員を置く。
(1)理事 5名以上9名以内
(2)監事 3名以内
2 理事のうち、1名を代表理事とする。
3 代表理事以外の理事のうち、副理事長及び専務理事をそれぞれ1名置くことができる。
4 この法人の理事長を一般法人法上の代表理事とする。
5 理事長以外の理事のうち、副理事長及び専務理事を一般法人法上の業務執行理事とする。
理事会設置の場合は、理事は3人以上、監事は1人以上設置しなければなりません。
なお、一般法人法では、代表者の役職名は、「代表理事」となりますが、定款により「理事長」「会長」などと定めることもでき、その場合には、定款にその旨を記載する必要があります。
さらに、定款に記載することにより、代表理事以外の約付理事等を業務執行理事として定めることができます。
また、大規模一般社団法人には、必ず会計監査人を1名以上設置しなければならないことには注意が必要です。
役員の選任
(役員の選任)
第○○条 理事及び監事は、社員総会の決議によって選任する。
2 代表理事及び業務執行理事は、理事会の決議によって理事の中から選定する。
3 監事は、この法人又はその子法人の理事又は使用人を兼ねることができない。
4 理事のうち、当該理事及びその配偶者又は3親等内の親族(その他当該理事と政令で定める特別の関係にある者を含む。)の合計数は、理事総数の3分の1を超えてはならない。監事についても、同様とする。
5 他の同一の団体(公益法人又はこれに準ずるものとして政令で定めるものを除く。)の理事又は使用人である者その他これに準ずる相互に密接な関係にあるものとして法令で定める者である理事の合計数は、理事の総数の3分の1を超えてはならない。監事についても、同様とする。
役員の選任は、社員総会により行われ、約付理事は、理事会の中で互選で決めることが一般的ではありますが、選挙等により決めることも可能です。
なお、理事の親族制限等は、公益認定の条件となっていますが、非営利型一般法人が税制上の優遇を受ける場合も条件となるのでき、記載しておくと良いでしょう。
理事の職務及び権限
(理事の職務及び権限)
第○○条 理事は、理事会を構成し、法令及びこの定款の定めるところにより、職務を執行する。
2 代表理事は、法令及びこの定款の定めるところにより、この法人を代表し、その業務を執行し、業務執行理事は、理事会において別に定めるところにより、この法人の業務を分担執行する。
3 代表理事及び業務執行理事は、毎事業年度に4カ月を超える感覚で2回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告する。
代表理事や業務執行理事は、3項の記載をしておくことで、理事会ごとの職務の執行状況報告を省くことができ、決算理事会と予算理事会の2回のみ報告すればよいことになります。
監事の職務及び権限
(監事の職務及び権限)
第○○条 監事は、理事の職務の執行を監査し、法令の定めるところにより、監査報告を作成する。
2 監事は、いつでも、理事及び使用人に対して事業の報告を求め、この法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
3 監事は、前2項の規定による監査及び調査の結果、この法人の業務又は財産に関し、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に、違反する事実等があると認めるときは、理事会に報告しなければならない。
監事の主な業務は、業務監査と会計監査となり、理事等の職務執行を監査し、監査報告を作成します。
監事は、理事や職員に事業の報告を求めたり、業務や財産の状況を調査することができます。
また、理事の不正を発見したときは、直ちにそれを理事会や社員総会に報告しなければなりません。
役員の任期
(役員の任期)
第○○条 理事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。
2 監事の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。
3 補欠により選任された理事又は監事の任期は、前任者の任期の満了する時までとする。
4 理事若しくは監事が欠けた場合又は第○○条(役員の設置)で定める理事若しくは監事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した理事又は監事は、新たに選任された者が就任するまで、なお理事又は監事としての権利義務を有する。
理事の任期は最長2年であり、1年などに短縮することも可能ですが、変更がなくても再任時に役員変更(重任)登記が必要となるため、2年とするの一般的です。
また、監事の任期は最短2年、最長で4年となりますが、理事を同じ時期に就任、退任させるため、任期を2年とするケースが多いようです。
役員の解任
(役員の解任)
第○○条 理事及び監事は、社員総会の決議によって解任することができる。ただし、監事を解任する決議は、総正会員の半数以上であって、総正会員の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行わなければならない。
役員の選任のみならず、解任も社員総会で行う必要があります。
報酬等
(報酬等)
第○○条 理事及び監事に対し、報酬等として、社員総会において別に定める総額の範囲内で、社員総会において別に定める報酬等の支給の基準に従って算定した額を支給することができる。
役員報酬は、無報酬にすることもでき、その場合は、本条で定めることになります。
例えば、『第○○条 理事及び監事は、無報酬とする。ただし、常勤の理事及び監事に対しては、報酬等として、社員総会において別に定める総額の範囲内で、社員総会において別に定める報酬等の支給の基準に従って算定した額を支給することができる。』と記載します。
第6章 理事会
構成
(構成)
第○○条 この法人に理事会を置く。
2 理事会は、全ての理事をもって構成する。
常任理事制度等を設けて、理事会を一部の理事で行うことはできず、設ける場合は、理事会への付議機関という位置づけになります。
権限
(権限)
第○○条 理事会は、この定款に別に定めるもののほか、次の職務を行う。
(1)この法人の業務執行の決定
(2)理事の職務の執行の監督
(3)代表理事及び業務執行理事の選定及び解職
(4)社員総会の開催の日時及び場所並びに社員総会の目的である事項の決定
(5)規則の制定、変更及び廃止
2 理事会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を理事に委任することができない。
(1)重要な財産の処分及び譲受け
(2)多額の借財
(3)重要な使用人の選任及び解任
(4)従たる事務所その他重要な組織の設置、変更及び廃止
理事会は、全ての理事で組織し、理事会設置一般社団法人の業務執行の決定、理事の職務の執行の監督、代表理事の選定および解職などの職務を行います。
なお、重要な財産の処分、多額の借入、重要な使用人の選任および解任などは、代表理事等に委任することはできません。
開催
(開催)
第○○条 理事会は、通常理事会と臨時理事会の2種とする。理事会は、理事総数を過半数の出席がなければ開催することはできない。
2 通常理事会は、毎年定期に、年2回開催する。
3 臨時理事会は、次に掲げる場合に開催する。
(1)代表理事が必要と認めたとき。
(2)代表理事以外の理事から会議の目的である事項を記載した書面をもって招集の請求があったとき。
(3)前号の請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合に、その請求をした理事が招集したとき。
理事会の定足数は、社員総会同じく過半数であるが、理事会は委任状による主席、書面表決および代理出席は一切認められず、理事には出席できる者を選ばなけれななりません。
一般的に、通常理事会は、予算を議決するときと、決算を議決して総会に付議するときの2回となります。
招集
(招集)
第○○条 理事会は、代表理事が招集する。
2 代表理事が欠けたとき又は代表理事に事故があるときは、各理事が理事会を招集する。
3 理事及び監事の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく理事会を開催することができる。
理事会を招集する者は、理事会の日の一週間前までに、各理事及び各監事に対してその通知を発する必要があります。
ただし、理事及び監事の全員の同意がある場合は、招集の手続を経ることなく開催することができます。